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申請書類の作り方 

 今回,ある書類の準備がうまくいき,提出段階で自信を持てたので,今後の自分のために今回のフローや反省点を振り返る.記憶が新しいうちに書いているが,設定した目標の達成後で若干お酒に(も)酔っている.  特に,どのようなプロセスがあって,どの時期にどのような順番で取り組み,どのくらいの時間をかけてどのくらいの進捗を出し,最善を尽くしたのにどのようなことが達成できなかったかをできる限り具体的に振り返る.これにより,今回を偶然の成功にせず,コンスタントにパフォーマンスを出せるような方法をある程度自分の中で持っておく.  ブログに公開している以上,人によっては参考になる点もあればもちろん喜ばしいが,基本的にはライディングの専門的訓練を受けたわけではない自分の備忘録という位置付けであり,文章術や書類の中身自体には極力踏み込まない(ライティングの専門的訓練を受けた人がいること,そのような人とも書類では競うことになることも念頭にあると良いかも).また,書いている時点では結果は知らないため面接についても踏み込まない.面接にはまた別のプロセス・対策があるだろう(面接は,急なたった一つの質問でも,普段どういう風に考えてどんな生活を送っているのか伝わってしまうことがあってまた別の難しさがある.) *追記:友人にはギリギリスケジュールすぎて参考にならないと言われた🙃 将来の自分へ:以下の例を,良い例として挙げている訳ではない.反面教師にしてほしい.フォーマット等,読みにくいので, 次取り組み始めるときは,0.の表の左一列を確認して2,3週間以上前に終えていたいことをまず終わらせる.全体としては,1.の最初に挙げた6項目と,3.を確認 する. 0. 書類完成までのプロセス  取り組み始める時期が全てである.一刻も早く(文字通り)取り組み始めよ.以上.  これで文章を終えても良いくらいだが,将来の自分はこれでは動かないので,以降も文章を書き連ねる.申請書の完成とは,実際に文書を書くことだけではない!その存在を認識することや,取り組もうと決断することなど多岐に渡り,文章執筆時間だけをスケジュールに入れているのでは満足のいく書類を完成することはできない.目標に向けて取り組む上で,取り組むことの総量を初期段階で可能な範囲で理解しておくことは有用であると思うので,真の網羅性は見込めないが可能な範囲で必...

数学サークルで聞かれた,英語力の上げ方に対する1つのありうる解答

*日常のやりとりなので文章が綺麗でないのはご容赦🙏 「英語力を上げる」のは,端的にいうと,意識的かつ継続的に努力することだと思います(筋トレみたいなものです.筋トレ真面目にしたことないから知らんけど).しかしこれではどういう方向に努力するかなどわからず,身もふたもない回答なので,もう少し細かく書きます.目的や現時点でのレベルにもよりますが,概して, (1)なるべく英語に触れる機会を増やすこと, (2)自分とは異なる他者の文化などを理解しようとする積極性や,コミュニケーション能力といったちょっとしたソフトスキル,   (3)自分の英語力が著しく低いことを素直に認めること(だが同時に決して自分の英語力を卑下しないこと) の 3 つがパッと思いついた感じ必要な気がします( 2 はあればベターって感じだとも思う).    それぞれ 3 つさらに説明を加えると次のようになると思います. ( 1 ) R,L,W,S の4技能はそれぞれ関係し合っているので,全体的に伸ばすのが良いと思いますが,僕は特に Speaking が弱かったので,ほとんど毎日オンライン英会話をしてました.英会話もそこそこ数があるので,初月無料や,初月 8 割引などを使い回すことで,安価で 1 年強続けることが出来ました(個人的には DMM 英会話が良かったです).これのメリットは,日常的に英語に触れられるだけでなく,朝にレッスンを設定することで健康的な生活リズムを作り出せる点ですね.英会話以外だと,パソコンやタブレットの言語設定を英語に変えたり,(もともとあまり関心なかったけど関心を持つようにして)寝る前に映画やドラマを少し見たり(以前少し書いた The Big Bang Theory は字幕がないのでいきなりは難しいかもです),洋楽を聴くようにしたりしました.自分の専門分野を英語で読んだりするのも悪くはないのかもしれませんが,それは別に英語として処理しているわけではないので個人的には気休め程度にしかならないと思っています. MIT や Stanford などが無料で公開している授業( Coursera? )を受けたり,興味のある研究者の動画を見たりするのは効果的な気がします. ( 2 ) 日本語というある種マイナー言語をわざわざ習得して日本で懸命に努力している外国の方の姿に感銘を受...

科学史小話(後編)ほんの少し修正版

  人間の脳の一般的な限界として、過去における自分の理解の状態や過去に持っていた自分の意見を正確に再構築できないことが挙げられる。新たな世界観をたとえ部分的にせよ採用したとたん、その直前まで自分がどう考えていたのか、もはやほとんど思い出せなくなってしまうのである。                            ―ダニエル・カーネマン著、村井章子訳『ファスト&スロー あなたの意志はどのように決まるか? 上』(早川書房、2014年)、354–355頁。                                        目次 1. 多分解けないクイズ-私はだあれ 2. シンキングタイム-尺稼ぎにしては長すぎる  ・歴史・科学・科学史について 3. クイズの答え合わせ-驚きの事実?  ・科学者と自然哲学者、科学と宗教は対立しない 4. おわりに   *前編を読まずに後編だけでも読めるようになっています。 *脚注も含め,この記事を書いたのはかなり前ですが,前編だけ公開して後編を公開するのを忘れていたので最近しました.今ざっと眺めるだけでも微妙な箇所がたくさんありますが,(修正版の)修正をせずにそのまま公開しています.ご寛恕ください.   (再掲) 「神は永遠にして、無限、全能にして全知であります。すなわち、永劫より永劫に持続し、無限より無限にわたって遍在するのです。万物を統治したまい、生ぜられるまた生ぜられうる万事を知りたもうのです。」 「至高の神がかならず存在することはあまねく認められるところです。この必然性より神は『いずれの時』『いずれの所』にも存在するのです。」    この記述が誰のものか、というクイズを前回出したのであった。   3. クイズの答え合わせ―驚きの事実? *9  この記述は、ニュートンによるものであり、『自然哲学の数学的諸原理(プリンキピア)』 *10 の第三篇から引用した。  神の存在を認めていること、そしてその神が遍在し万物を司っていることを認めている点で、違和感を覚えた読者もいたかもしれない。また、クイズに正解した人の中にも、ニュートンは実は熱心なクリスチャンであった!と一足飛びに結論づけた人もいるかもしれない。以降で、ニュートンとその同時代人の職業に注目しながら、当時の知識人と現...

科学史小話(前編)ほんの少し修正版

    数学の歴史は、「数学者」もしくは「数学愛好家」のためにあるのではない。人間の文化的営為の歴史的性格、それが数学という個別領域の形成を通じていかに顕現されるかということは、特定の人間に属することではない。 ー森毅『数学の歴史』 目次 1. ちょっとしたクイズ-私はだあれ 2. シンキングタイム-尺稼ぎにしては長すぎる  ・歴史・科学・科学史について 3. クイズの答え合わせ-驚きの事実?  ・科学者と自然哲学者、科学と宗教は対立しない 4. おわりに   1.  ちょっとしたクイズ-私はだあれ  早速ではあるが、クイズから始める。  次の文章は、皆さんが必ず知っているある人物の著作からの引用である。絶対に知っている人物なので、誰であるか考えてみていただきたい。 ヒント:「歴史上一番有名な科学者は誰か?」というアンケートをすれば、間違いなくTOP5に入ると思う。   「神は永遠にして、無限、全能にして全知であります。すなわち、永劫より永劫に持続し、無限より無限にわたって遍在するのです。万物を統治したまい、生ぜられるまた生ぜられうる万事を知りたもうのです。」 「至高の神がかならず存在することはあまねく認められるところです。この必然性より神は『いずれの時』『いずれの所』にも存在するのです。」    おそらくヒントだけから答えを導くことになるものと思われる。第2章が思いのほか長くなったので、答えはだいぶ後にある。2章は飛ばしてしまっても良い。(クイズという体を取るため、出典は後ほど。訳はその出典から拝借。)   2.  シンキングタイム―尺稼ぎにしては長すぎる   答えを考えてもらう間に、この章では科学史がどのような学問であるか書いてみようと思う。 2-1.科学を対象とする歴史学、科学史  本記事は科学史についてであるが、そもそも科学史とはどのような学問であるか。     最初に述べておくと、学問としての科学史は、理工書のコラムのために存在しているのではなく、科学者の業績の単なる年表を作成するのでも、過去の人物の業績を称え上げるものでもない。  科学史は、科学を対象とする歴史学である。歴史学の中でも科学を対象とする、とのことだが、そもそも歴史学はどのようなものか、まずその...